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実はあまり知られていない!病理医の仕事について

病理医と一言に言っても、その仕事内容は実に多岐に渡ります。
臨床医として普段働いていらっしゃる先生方の中には、病理医と関わった事のある方も多いかと思います。
ですが、それは病理医の一面にすぎません。
そこで今回は、病理医がどのようなお仕事をしているのかご紹介したいと思います。
ぜひ転職の参考にしてください。

病理医の仕事内容とその必要性

病理医の仕事は、一言で言うと病理診断ですが、その内容は様々あります。
基本的には、肉眼や顕微鏡で患者の組織の一部を観察する事になります。
膨大な知識をもとに、組織像の良悪性や組織型、悪性度などを評価します。
腫瘍などの病変部位には、正常な組織では見られない異常所見が見られます。
ですが、必ずしも病名と所見が一対一対応するわけではありません。

 

例えば、甲状腺の乳頭癌と未分化癌の中間的な存在である濾胞型乳頭癌などといったものも存在します。
病理医は、病理学的に根拠をもってそれらの組織型を一つ一つ鑑別し、診断していく事で、治療に役立てているのです。

 

ですので、病理医は単に病理像を全て暗記しているだけではなる事ができません。
一人一人容態が異なる患者の全身の状態、背景を踏まえ、病理像を根拠に診断していく能力が必要なのです。

 

病理診断の具体的な仕事内容

病理診断の具体的な仕事内容についてご紹介します。
大きく分けて、生検診断、手術標本の診断、術中迅速診断、細胞診断の4つが病理医の診断の仕事です。

 

生検診断

生検診断とは、組織の一部を採取して顕微鏡で観察し診断する事で、主に患者の治療方針を決定するのに使用されます。
手術標本の診断とは手術で摘出された組織を肉眼で観察し、一部を切り出してサンプリングし顕微鏡で観察する事で、主に患者の予後を推定するのに使用されます。
術中迅速診断とは、手術中に病変の一部を採取し、急速凍結し、凍結切片を顕微鏡で観察する事で手術方針を決定します。
細胞診断とは、尿や髄液中の遊離細胞を遠沈し、顕微鏡で観察します。
これは液体中の細胞も観察できる手法です。

 

このように、病理診断と一言に言ってもその仕事内容は一つではありません。
病理医はスクリーニング検査における病気の発見から、診断、治療、予後推定に至るまで、様々な場面で患者の病態に関わる医師なのです。

 

病理解剖

また、病理医の中には病理解剖に携わる医師もいます。
病理解剖とは、病院で治療を行っていた患者さんが、最善の治療にも関わらず、不幸にもなくなってしまった場合に行われる解剖です。
遺族の承諾の元、患者の病気の状態や治療の効果などを検証し、今後のより良い治療のために解剖を行うのです。

 

病理解剖も病理医の大切な仕事の一つなのです。
この時、臨床医の診断や治療が正しかったのか、評価するのも病理医の仕事となります。
医療ミスはなかったのか、他に打てる策はなかったのか、臨床医は最善を尽くしたのか、それを病理解剖という形で答え合わせするのです。
病理医はそういった点からも、最後の砦であり、担う責任は大きいのです。

 

病理診断の役割

では次に、肺癌を例に病理診断の役割について解説していきたいと思います。

 

肺に腫瘍が発見されたら、まずは良悪性を判断する為に生検診断や細胞診断を行います。
これらの検査でも診断がつかない場合や、悪性を否定できない場合は、胸腔鏡下肺生検(VATS)を行い、病変の一部を術中迅速診断に提出します。
そして術中迅速細胞診などで良悪性を診断し、良性なら経過観察、悪性なら肺葉切除やリンパ節郭清など組織型に応じた治療をしていくのです。

 

肺癌は小細胞癌と非小細胞癌に大別されます。
この分類は主に病理像を見て病理医が診断します。
小細胞癌は他の肺癌に比べてシスプラチンやイリノテカンなどの化学療法が著効するので、他の組織型との鑑別は重要なのです。

 

また、非小細胞癌と以前はひとまとめにしていた組織型も、現在では扁平上皮癌や腺癌など組織型を病理医が診断する事が大切になっています。
腺癌に効く新規治療薬の中には扁平上皮癌には禁忌となるものがあるからです。
ですので、肺癌の治療においては病理医による組織型の鑑別の意義が大きいのです。

 

肺癌に限らず、他の多くの臓器や血液などの疾患において、腫瘍などを診断、治療していく上で病理医による診断は欠かせないものとなっているのです。

病理部の意義とメリット

では次に、病院に病理部がある意義について考えていきましょう。

 

病理部にはディスカッションの場、トレーニングの場、相互教育の場としての役割があると言われています。

 

ディスカッションの場とは、病理医と臨床医、細胞検査士が病理組織や細胞を顕微鏡で観察し、よりよい診断や治療を目指す場を指します。
トレーニングの場とは、病理医と臨床医が、手術で摘出された標本を肉眼や顕微鏡で観察し、術前の診断を検討する事で、医療技術を磨いていく場を指します。
相互教育の場とは、治療に役立つ病理診断を目指して、カンファレンスや研修会を積極的に開き、病理医と臨床医が互いの医療知識を高めていく場を指します。

 

このように、病理医と臨床医学は密接に結びついています。
病理部には、病理医と臨床医がいつでも連携できる場であるという役割があります。
病理部は臨床医と協力し、医療医学の質的向上に貢献しているのですね。

 

病理部は病院には不可欠な存在であり、一人一人の臨床医にとっても必要で頼りになる存在となります。
そんな病理医はきっとやりがいを十分に感じられる仕事であると思います。

 

オンコールや当直が苦手で自分の時間も大切にしたいという方には、オンオフがはっきりしている病理部は大変働きやすい環境であると思われます。
結婚や出産を機に病理医へ転向する女医の方も多数おられるようです。
もちろん、男性の病理医の方も多数活躍されています。

 

同職種、多職種との連携やコミュニケーションは必須

ただ、病理医だからと言って誰とも話さず、一日中顕微鏡にだけ向かっていればよい、というわけではありません。
先ほども紹介した通り、病理医として仕事をするには臨床医との連携が必須です。
加えて、同僚や先輩後輩の病理医の方とのコミュニケーションも大切ですし、染色などを手伝ってくれる技師の方や細胞検査士の方との連携も大切になってきます。
これはどんな職場においても言える事ですが、同職種、多職種との連携やコミュニケーションは必須なのです。

 

病院を朝から晩まで駆け巡るような体力に不安がある方でも、病理医なら病理部にいながら業務をこなせる点は嬉しいですね。
自分の時間も大切にして、子育てや趣味の時間もとりたいという方、体力に不安のある方などには、病理医がおすすめです。

 

医師として患者の命を救い、患者やその家族に寄り添う心を持つという点では、臨床医も病理医も同じです。
ぜひ、病理医として臨床医とタッグを組んで患者を救い、医療医学の質的向上に貢献する道を考えてみてはいかがでしょうか。
病理医として病気に向き合うと、臨床医として病気を診るのとはまた違った観点からの気付きもあるかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、病理医の仕事内容や病理部の意義やメリットなどをご紹介しました。
病理医と一言に言っても、その仕事内容は多岐に及びます。
また、病理部が病院にあるおかげで、病理部と臨床医がいつでも連携できるようになっており、より良い治療を目指す事ができます。
また、病理医はオンオフがしっかりしていて働きやすい環境である事もご紹介しました。
先生の皆様も、病理医への転職を考慮してみてください。

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