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医師転職ドットコムのメディウェル様インタビュー

はじめに

今回は、医師を始めとした医療従事者向け紹介を行っている、株式会社メディウェル(以下、メディウェル)様に伺いました!
今回お話を伺ったのは、医師の転職の最前線で活躍する、ヒューマンリソース事業部所属の3名のコンサルタントの方と、同社が運営する「医師転職ドットコム」
に携わる、マーケティングシステム本部の3名の方たちです。

コンサルタントに聞く医師の転職事情

最初にお話を伺ったのは、同社のコンサルタントの皆さん。
エネルギッシュな小嶋さん、爽やかな雰囲気の渡部さん、明るい笑顔が印象的な平野さんの3名です。
実は、この3名の皆さんは、一度は全国1位を獲ったことがある、凄腕コンサルタントなのだそう。
医師の転職の現場に日々携わるコンサルタントの皆さんから、どんなお話が訊けるのでしょうか。
早速、インタビューしてみました!

 

医師の転職相談が多い年代は?何がきっかけで転職を考える?

柏木「こんにちは!今日は医師の転職事情について、まずは最前線の現場で活躍するコンサルタントの皆さんにお話しを伺いたいと思います。よろしくお願いします!」


小嶋・渡部・平野「よろしくお願いします。」

柏木「早速ですが、医師の転職相談は、どの年齢の人が多いですか?」

小嶋「30代前半から40代前半が一番多いですね。コアとなる層はこの年代です。」

柏木「そうなんですか。年代からいうと、働き盛りといった感じですね。会社員の人が転職する場合と、その辺はあまり変わらないんですかね?」

小嶋「そうですね。やはり、働き盛りのこの年代の転職が一番多いです。これは、医師に限らず、転職市場全体で見てもそうですね。」

柏木「ちなみに、男女比ではどうですか?男性の方が多いとか、女性の方が多いとか。」

渡部「印象としては、男性の方が若干多いかな、といった感じですね。そもそも、医師は男性の方が多い、ということもありますし。」

柏木「なるほど。先ほど30代前半から40代前半の医師の転職相談が一番多い、とおっしゃっていましたが、この年代で転職する人が多いのは、何か理由があるんですか?」

小嶋「まず一つに、この年代が欲しいという医療機関が多いということですね。それと、転職したいという先生方も、医師としての経験を積み、今後のキャリアや自分のライフスタイルを考えるタイミングになるのが、このくらいの年代なんですよ。そういう意味では、一般企業にお勤めの方の転職とあまり変わらないかもしれませんね。この年代は、ある程度キャリアも積んでいますし、ライフスタイルにも変化があったりしますから。」

柏木「なるほど。ライフスタイルの変化や今後のキャリアのことが理由で、転職するということですね。では、医師の場合、ライフスタイルの変化にはどんなものがあるんですか?」

小嶋「会社員の方と同じですよ。例えば、子供が生まれたとか。それが転職のきっかけになることが多いですね。医師って激務なんですよ。勤務医は特に。」

柏木「そんなに大変なんですか?」

小嶋「ええ。当直が続いてなかなか家に帰れないなんてことは、ざらなんですよ。それで、家族との時間を過ごせなかったり、自分の時間が取れなかったりするんです。大学病院の勤務医の中には、当直は週一回程度、という人もいるんですが、忙しさと給料とが見合っていないことが多いんですよね。給料が安すぎるので、非常勤の仕事やアルバイトをして他から収入を得ないといけない、という先生もいます。その結果、仮に当直は週一回であっても、他で働かないといけないので、忙しい、家族と一緒に過ごす時間が取れない…ということになってしまうんです。それで転職を考えるわけですね。」

柏木「それはキツイなぁ…。もしそんな状況なら、僕も転職を考えてしまうかも。ちなみに、今後のキャリアを考えて転職する場合、どんな理由で転職するケースが多いんですか?」

小嶋「そうですね。代表的なケースは3つあります。」

柏木「3つですか。具体的にはどんなケースですか?」

小嶋「開業を考えているケース、経験を積みたいというケース、そして、今後のキャリアを考える上で、岐路に立ったケースですね。」

柏木「そうなんですか。1つめの開業を考えているケースについては、文字通り、『開業したい』ということですよね?」

渡部「そうですね。医師の場合、親が開業医で、その医院をいずれ継ぐから転職しなきゃ…っていうケースが結構あるんですよ。」

柏木「ああ、確かに。実家が『〇〇医院』とか『〇〇クリニック』なんていうケースがありそうですよね。でも、大学病院を辞めて、すぐに継ぐのかと思ったんですけど。違うんですか?」

小嶋「そんなに単純じゃないんですよ(笑)。まずは、いつ開業するのか考えて、『このくらいの年齢で開業するぞ』と決めたうえで、転職の時期を考えるわけです。」

柏木「言われてみれば、確かに。会社員が独立して会社を立ち上げる場合と同じですね。医師の場合は、開業時期を決めて、転職のおおよその時期を決める、と。でも、転職する年齢に差し掛かった時、すぐに実家の医院を継ぐわけじゃないから、転職相談をするっていうことですよね。」

小嶋「その通りです。実は、実家の医院を継ぐ前にパイプ…つまり、人脈を作らないといけないんですよ。」

柏木「そうなんですか!それは知らなかったです。お医者さんってそんなこともしないといけないんですか。」

小嶋「実家の医院を継ぐにしろ、医師の場合、人脈作りは大切ですからね。そこで、大学病院を辞めた後、まずは開業の候補となる場所にある民間病院で働いて、そこで人脈を作ることを考えます。そこで、ある程度の人脈を作った後、開業する…という流れになることが多いですね。」

柏木「なるほど。つまり、将来の開業に向けた下準備をするために、転職するんですね。ちなみに、親が開業医じゃないお医者さんもいると思うんですけど、そういう方が開業する場合も流れとしては同じですか?」

小嶋「大体同じですね。」

柏木「へえ〜。参考までに、実家を継ぐのではなく、一から開業するとなると、資金はどれくらいかかるものなんですか?」

渡部「うーん…。場所や診療科によっても違いはあるんですが…。例えば都心の場合、消化器内科だと、1億くらいはかかるんじゃないかと思います。」

柏木「い…1億!?高すぎませんか!?」

渡部「開業する時に借りる物件の費用の他に、医療機器をリースしなければなりませんからね。その金額が高いんですよ。その他にも医療用具、オフィス用品を揃えなければなりませんから、お金は相当かかりますよ。それと、向こう何か月かのスタッフの給料をキープしておかないといけません。開業してすぐに患者さんが来ても、診療報酬が支払われるのは約2ヶ月後ですから。そう考えると、トータルでこれくらいの費用が必要になるんですよ。」

柏木「ひえ〜!大変ですね。お医者さんの開業って、思った以上にハードですね。びっくりしました!次に、経験を積みたいというケースなんですが…。」

小嶋「これには、大学病院ならではの事情があるんですよ。」

柏木「大学病院ならではの事情ですか?」

小嶋「ええ。大学病院の場合、手術の取り合いになってしまって、思うように経験が積めないことがあるんですよね。大学病院は若手の医師が多いんです。つまり、それだけ手術の経験をしたい医師が多いということなんですよ。なので、例えば、内視鏡手術の経験をできるだけ多く積みたいと考えていても、取り合いになって、思うように経験が積めない、ということになってしまうんです。」

柏木「競争が激しいですね。そんな中で手術の経験をたくさん積むには、どうしたらいいんですか?」

小嶋「そこで転職が出てくるわけです。人手の足りない地方の病院に転職すれば、手術のキャリアを積むことができる可能性が高い。先ほどの例で言えば、内視鏡手術のできる医師が地方の病院では不足しているので、そこに転職し、どんどん手術をして経験を積む、ということになりますね。」

柏木「なるほど。大学病院で働く医師の方って大変ですね。忙しいうえに、思うような経験が積めないこともあるわけですから…。では、3つめの、今後のキャリアを考えるうえで岐路に立ったケースというのは、具体的にどんな内容になるんですか?」

小嶋「このケースは、特に40代の先生に多いですね。」

柏木「どういうことでしょうか?」

小嶋「40代の医師ともなると、ある程度の経験を積んでいます。そのうえで、この先のキャリアをどうしようかと考えるんです。今後、自分が学んできたものを誰かに教える立場を選ぶのか、あるいは、部長職など、さらに上のポジションを狙うのか…という岐路に立つんですね。どちらを選ぶにせよ、自分が望む方向に合った職場を見つけたいと思い、転職を考えるようです。」

柏木「教える側になるのか、さらなる出世を狙うのかってことですよね。医師の方の転職理由にも色々あるんですね。勉強になりました。」

 

色々な理由が重なって、転職を考えるケースがほとんど

柏木「ちなみに、他の業界でもよくある話ですが、医師の場合も、人間関係に悩んで転職するなんてことはあるんですか?」

小嶋「よくありますね。ただ、それだけが理由で転職を考える人は少ないです。というか、今までお話した転職理由のうち、どれか一つの理由から転職を決める人は少ないんですよ。」

柏木「そうなんですか!色んな理由が絡んで転職を決めることが多いと?」

小嶋「そうですね。今後のキャリアやライフスタイルの変化など、色々な理由が合わさって転職を決める先生が多いです。」

柏木「なるほど。ということは、さっき言った『人間関係に悩んで転職したい』という場合も、もちろんそれだけが理由で転職する人も中にはいるんでしょうが、それは少数派ということですよね。」

小嶋「ええ。例えば、今の職場は人間関係が複雑でやりにくい。そのうえ、忙しくて家族と過ごす時間が取れない。それに、今すぐではないけれど、いつかは実家の医院を継がなきゃいけない。そのためには、もうそろそろ動かないと…という感じで、いくつかの理由が重なって転職を決める先生が多いですね。」

柏木「数ある転職理由の中に、例えば人間関係も入る、といった感じですね。あるいはライフスタイルの変化とか。」

小嶋「そうですね。」

柏木「なるほど。細かい違いはあっても、転職の理由そのものは、会社員の人達の転職とあまり変わらないんですね。」

 

他の年代の転職はどんな感じ?

柏木「今まで伺ったのは、30代から40代の医師の転職の話ですけど、この年代以外にも転職を考える医師はいるんですか?」

小嶋「もちろん。ただ、30代や40代の医師とは違う理由で転職する人が多いですね。あと、20代の場合は比較的少ないと思います。」

柏木「そうなんですね。例えば、20代で転職をしたい、という場合はどんなケースが多いですか?」

小嶋「20代の場合は、少しでも良い条件の職場を求めて転職したいというケースが多いと思います。初期研修を終えて早々に紹介会社に登録して、転職相談される方もいますね。」

柏木「なるほど。では、60代以上の医師の場合はどうですか?」

小嶋「その場合は、定年後のセカンドキャリアとして、これまでの経験を活かしたい、というケースが多いですね。医師は自分で引退を決めなければ、何歳になっても続けられる仕事ですから。60代以上の医師の場合、介護施設などで第2の医師人生を送る方もいらっしゃいますよ。」

柏木「働き盛りの年代と他の年代とでは、やはり傾向が違うんですね。」

 

転職のタイミングには、「医師ならでは」のものも

柏木「ここまで医師の方の転職理由を色々伺いましたけど、『会社員の転職と割と似ているな』と個人的には思いました。そこで、ここからは、医師ならではの転職理由を教えていただきたいと思います。そもそも、医師ならではの転職理由ってあるんですかね?」

渡部「いえ。医師ならではの転職理由というのは、ないように思います。これまでお話した通り、会社員の方とそれほど違いはありません。ただ、医師ならではの転職のタイミング、というのはありますね。」

柏木「そうなんですか!それって、どんなものですか?」

渡部「例えば、教授が定年を迎えるタイミングでの転職なんかがそうじゃないですかね。」

柏木「それは、他の業界では聞かない話ですね。教授ってことは、大学病院ですか?」

渡部「そうです。大学病院で特に多いですね。」

小嶋「大学病院では、教授は絶対的な存在なんですよ。『転職したい』と思っても、『俺がいる間は辞めるなよ』みたいなことを言われて、教授がいる間は、なかなか転職に踏み切れない医師が多いんです。そんなわけで、教授が在籍している間は転職せずに医局に留まり、定年を迎えてから転職活動を始める医師が多いですね。」

柏木「なかなか想像がつかない世界ですね。他にも、医師ならではの転職のタイミングはありますか?」

渡部「あとは、教授が変わるタイミングですね。これは、新しく就任した教授が外部から来た場合なんですが、その際に他の医師を連れてくることがあるんですよ。」

柏木「自分の下で働いていた医師を外部から引っ張ってくるってことですか?」

渡部「ええ。それによって、これまでの職場環境や人間関係が変わることに不安を感じる先生は多いですね。場合によっては、自分のポジションの先行きが怪しくなることもありますから。それで、転職を考える、と。」

柏木「確かに、今後のことが心配になりますよね。他にはどんなものがありますか?」

渡部「資格を取ったタイミングで転職するケースですね。大学病院でおおよその資格を取って、自分の価値を上げてから他の病院に移る医師が多いです。30代半ばから40代くらいで、大体の資格を取得する先生が多いように思います。このことも、この世代の転職者が多い理由だと思いますね。」

 

資格を取得したタイミングでの転職は今後増える傾向に

小嶋「今後、資格を取ったタイミングで転職するケースは増えると思いますよ。」

柏木「そうなんですか?それはまた、どうしてでしょうか?」

小嶋「2018年4月から新専門医制度がスタートしたからです。医師の資格とは言っても、色々なものがあるんです。例えば、アレルギー学会とか、眼腫瘍学会とか、“〇〇学会”と呼ばれる学会に所属して、そこで専門医としての資格を取るんです。」

柏木「あ!見たことあるかも。以前、お医者さんから貰った名刺に書いてあったような…。」
小嶋「そう!それです。前は学会ごとに専門医の認定を行っていたんです。なので、民間病院でも、色々な資格が取れたんですよ。でも、学会によって定める基準が違うので、専門医によってスキルに差が出ることもあったんです。それと、『資格が取れるなら、給料面で有利な民間病院に行った方が良いよね』と、大学病院を辞めて転職する医師が多くて、大学病院からの若手医師の流出が問題になったんですよ。」

柏木「そうだったんですか。確かに、同じ資格が取れるなら、給料が高い方が良いですよね。」

小嶋「そりゃそうですよね(笑)。それで、新専門医制度では、専門医の資格を取るための要件を満たすのが、大学病院や大病院中心になってしまったんです。人材流出を防ぐ意味もあるんでしょうね。もちろん、これまで通り民間病院で取れる資格もありますが、数はぐっと減って、『日本○○科学会』といった感じのメジャーどころの資格は大学病院にいないと取れなくなりました。なので、今後は、大学病院で専門医としての資格を一通り取った後に、条件の良い民間病院に移ろうとするんじゃないかと。」

柏木「なるほど。これまでとは状況が変わったということですね。」

小嶋「ええ。転職市場に出てくるのはその後になると考えられます。もちろん、診療科によって違いもあるので、一概にそうだとは言えないんですが、若手の転職者の年齢層は、これまで以上に30代半ばから40代前半が中心になると思います。」

 

大都市圏と地方で転職事情に違いはあるの?

柏木「ところで、東京や大阪といった大都市と地方都市では、医師の転職理由に違いがあったりするんですか?」

小嶋「いえ、その点は一緒ですよ。特に違いはありません。やっぱり、ライフスタイルの変化や今後のキャリアを考えて転職する人が多いですね。ただ、転職事情はちょっと違いますけど。」

柏木「へえ〜。例えばどんな違いがあるんですか?」

渡部「大学病院に勤務している先生が転職するケースが、地方は少ないですね。」

柏木「そうなんですか!どうしてですか?」

渡部「一つには、東京や大阪なんかの大都市圏に比べて、地方の病院の実数が少ない、ということがあります。あと、地方の方が大学病院の存在感は強いんですよ。大都市圏では、医学部のある大学が複数ありますし、その分、大学病院の数も多いんですが、地方は一つの都道府県に一つの国立大学とそこの医学部、そして大学病院という形になります。なので、どうしても大学病院の影響力は、地方の方が強くなりますね。」

小嶋「それに、地方の場合、大学病院はその地域の中でも利便性の高いエリアにあることが多いんです。で、そういうエリアにある病院って、たいがい、大学病院の影響下にあるんですよね。なので、大学病院の影響が少ない病院に転職しようとすると、利便性の高いエリアから離れないといけなくなってしまうんです。」

柏木「それは不便ですね。通勤するのに大変そう。」

小嶋「そうなんですよ。なので、今の職場環境や給料に不満があっても、自分の生活圏を変えてまで転職しようとは思わない先生が多いんです。」

柏木「そういう理由で、大学病院に勤務している医師が転職するケースが、地方では少ないんですね。」

小嶋「ええ。なので、地方の先生の方が転職には慎重です。今の生活もそうですが、今後のキャリアのことを考えて、教授との関係を大切にしますね。いずれ転職するにしても、これまで築いた教授との関係にひびが入らないように、しっかり準備してから動く先生が多いです。」

柏木「そうはいっても、中には、教授との関係が悪くなって転職する人もいるんじゃないですか?そういう時はどうするんでしょうか?」

小嶋「その場合は、県外に出てしまった方が良いですね。これも、地方ならではの特徴かもしれません。県外へ転職するにあたり、新幹線で通勤したり、単身赴任したりする先生もいらっしゃいますよ。」

柏木「県外へ転職するケースもあるんですか!そこまでの覚悟を持って転職するんですね。そんな場合でも、御社では対応できるようになっている、ということですよね。」

渡部「そうです!これは書いておいて欲しいんですけど(笑)。弊社では、それぞれの地域のニーズに合わせるため、都道府県ごとの専任コンサルタントを配置しています。その地域の事情をしっかり把握した上で、情報提供できるよう体制を整えているんですよ。」

柏木「おお!それは心強い!ということは、支社のない県にも、飛行機などで出向くこともあるんですか?」

渡部「ええ。7つの支社の中で、各都道府県担当の専任コンサルタントを決めています。例えば、僕の場合、東京支店に所属していますが、プラスαとして埼玉県も担当しているんです。このような感じで、その地域内での転職をしたいという先生に対して、希望に合った転職先を紹介できるようになっています。他の地域で活躍していた先生が、『地元に戻りたい』なんていう時にも、もちろん、すぐに対応することができますよ。」

柏木「なるほど!日本全国どこで転職する場合も、サポート体制はバッチリですね!これから転職したいという医師の方も、安心ですね。」

 

診療科による違いはあるの?

柏木「医師ならではの転職理由や、今後の傾向など色々お話を伺いましたけど、例えば、この科の医師の転職が多いとか、あるいは少ないとか、医師の診療科によっても違いはあるんですか?」

小嶋「ありますね。多いのは、内科医ですかね。」

柏木「それは、なぜですか?」

渡部「内科医の母数が多い、ということがありますね。あと、転職が多いのは、整形外科医、精神科医でしょうか。反対に少ないのは、外科医ですね。」

柏木「へえ!外科医は少ないんですか!何か理由があるんですか?」

小嶋「外科医はチームで動くことが多いんですよ。ドラマなんかで観たことありませんか?一人で手術をするわけでなく、大体決まったメンバーで何人かのチームになって手術するんです。なので、そのチームの結束が固ければ、わざわざ転職しようとしないでしょうね。勝手知ったるメンバーで仕事をした方が良いでしょうから。」

柏木「確かに。」

小嶋「あと、外科医の場合、医局の学閥によって手術の方法が違うんです。なので、転職しても、今までの方法が通用しなくなる可能性があるんですよ。そう考えると、同じ学閥の下でやってきたメンバー同士で仕事をした方が、やりやすいでしょうね。なので、外科医の転職希望者の数は必然的に少なくなります。一方、内科の先生は外科の先生とは違い、チームで動くわけではなく、一人で診察することが多いんです。そんな事情もあって、内科の先生の方が転職しやすいんじゃないかと思います。」

柏木「なるほど!ひとくちに医師の転職とは言っても、診療科によっても違いがあるんですね。参考になりました。」

 

転職市場で通用する人・しない人

柏木「一般的な話ですが、転職って、採用されやすい人と採用されにくい人がいると思うんです。そこでお聞きしたいのですが、医師の転職でも、『こんな人は採用されやすい』とか、反対に『こんな人は採用されにくい』といった傾向はあるんですか?」

渡部「ありますね。」

柏木「あるんですね!採用する医療機関はどんな点をチェックしているんですか?」

渡部「やはり、人柄だと思いますよ。」

柏木「人柄ですか。確かに大事ですよね。」

渡部「ええ。初めてお会いした方に、しっかりと挨拶ができるか、目を見て話ができるか、というところを、医療機関側も最低ラインとしてチェックしています。ここがクリアできていないと、面接で落とされてしまいます。要は、基本的なコミュニケーション能力があるかどうか、ということですね。この部分は、一般企業の採用と変わりません。」

柏木「確かに、最低限のコミュニケーションができないと、まずいですもんね。」

小嶋「昔に比べて、今は患者さんが病院にクレームを入れやすくなっているんです。なので、人柄やコミュニケーション能力は、採用の際に重視しますよね。一緒に働くスタッフへの態度にも問題があると困りますから。」

柏木「確かに、働くなら、気持ちよく働ける人と一緒がいいですもんね。」

小嶋「そうです。どんなに患者さんに対する態度が良くても、看護師さんに対する態度が横柄だったりキツかったりすると、それが原因で看護師さんが辞めてしまうかもしれません。病院側にとって、それは損失ですよね。なので、人柄を重視する医療機関は多いですね。面接の時にここを疑問視されると、敬遠されてしまいます。」

柏木「なるほど。一般の会社と同じですね。」

 

コンサルタントが感じる、転職者の最近の傾向

柏木「ちなみに、『最近、こんな転職希望者が多いな』と感じることはありますか?」

渡部「僕、ちょっと感じていることがあるんですが…言っていいですか?」

柏木「ぜひ!お願いします!」

渡部「上司に責められて精神的に病んでしまい、転職を考える医師が増えているように感じますね。時代の流れですかね。最近は、パワーハラスメントが問題視されていますから。」

柏木「そうなんですか…。確かに、このところ、パワハラはずいぶん問題になっていますよね。ニュースなんかでも見ますし。」

渡部「怒鳴られても厳しく叱責されても当たり前、というこれまでの風潮が、ここ最近は、医師の世界でも変わりつつあるように思いますね。」

柏木「なるほど。時代ですかねぇ。あとはありますか?」

渡部「うーん…あと、転職に当たって、紹介会社を複数使う人が最近増えたかなぁ…。前は一社しか使わないケースがよくあったんですけど、今は何社か使う先生がだいぶ増えたように思います。」

柏木「そうなんですか!医師の転職でも、紹介会社を使うケースが増えたのかもしれませんね。」

 

メディウェルの2つの強みとは?

柏木「では、メディウェルさんの強みって何ですか?『ここは他社には負けないぞ!』というものがあれば、教えて下さい。」

小嶋「転職を希望する先生に必ずお会いして直接お話することです。」

柏木「会うことですか!それはつまり、他社の場合、転職希望者に会わずに転職を進めてしまう、ということですよね。」

小嶋「そうです。よくあるんですよ。さっき渡部も言っていましたが、弊社のような紹介会社を利用して転職する場合、複数の紹介会社に登録して転職を進める先生が多いんです。その際、大体登録した順に紹介会社へアプローチして転職相談をすることになりますので、紹介会社にとっては、『いかに早く転職希望者に転職先を紹介して、面接までこぎ着けるか』ということが重要になってくるんです。」

柏木「つまり、紹介会社にとっては、面接までのスピードが大事になるということですよね。」

小嶋「ええ。ですので、転職希望者に直接会わず、メールなんかでやり取りを済ませてしまう紹介会社は多いですね。どんどん転職先を紹介して、面接させる方法を採ります。でも、弊社は他社とは違い、面接までのスピードはそれほど重視していません。」

柏木「それはどうしてですか?」

小嶋「転職を希望する先生と、転職先の医療機関とのミスマッチが起こる可能性があるからです。」

柏木「ミスマッチですか。具体的にはどんなケースがあるんですか?」

小嶋「転職を希望する医師に実際にお会いし、希望を伺うんですけど、その時にお話しされた希望と、本当の意味での希望とが異なるケースがあるんです。」

柏木「そうなんですか!それは、どういうことでしょうか?」

小嶋「例えば、『今の職場よりも給料の高いところで働きたい』という理由で転職を希望する先生がいたとします。しかし、よくよく話を聞いてみると、重視しているのは給料ではなく、周りから必要とされることだったりするんですね。でも、本人はそのことに気付いていない。その場合、給与水準の高い職場と、『先生にぜひ来て欲しい』という職場と、どちらの方がより楽しく、長く働くことができるのか、ということを私たちは考えます。その結果、『先生にとって本当に大切なことは、必要とされることだ』と判断すれば、希望年収より多少下がったとしても、後者の方を紹介しますね。」

柏木「転職にあたって、自分が何を重視しているのか理解できていないんですね。自分のことを分かっていない、と。」

小嶋「そうなんです!こういう『本当の希望』は、エントリーシートや電話でのヒアリングだけでは分からないことが多いんです。実際に本人にお会いして、直接コミュニケーションを取らなければ、本音の部分が見えてこないんですよ。」

柏木「深いですね。転職ってもっと単純なものかと思っていたんですけど、表面的な部分だけじゃ、見えてこないものもあるんですね。」

渡部「時間をかけずに転職先を決めるなら、本人に直接会うことなく、メールなどでやり取りして、面接の日程まで決めてしまった方が、スピードとしては速いですし、効率的なやり方であるとは思います。でも、スピードや効率ばかり優先すると、最後の最後でなかなか決まらないことがよくあるんですよ。『実際に会って転職希望者本人に話を聞く』というプロセスを省いてしまうと、本音が見えず、肝心なところで詰められなくなってしまうんです。」

柏木「だからこそ、会うことが大切になるんですね。」

小嶋「ええ。弊社の場合、コンサルタントは、転職希望者である先生にお会いした後、採用側の医療機関にも行って話を聞きますね。つまり、転職希望者のコンサルタントと医療機関のコンサルタントは、必ず同じ人間が担当するようにしているんです。これも弊社の特徴ですね。」

柏木「ということは、他社の場合、別々に担当者を配置している、ということですよね?」

小嶋「そうですね。一人のコンサルタントが両方を担当すると、時間も手間もかかってしまいますから、スピードや効率を重視するなら、その方が良いんです。ただ、その場合、今度はコンサルタント同士の意思疎通がうまくいかず、ミスマッチが起こることがあるんです。」

柏木「確かに、細かいニュアンスが伝わらないことがあるかもしれませんね。そういうことがないように、ということですね。」

平野「そうです。それに、転職希望者と採用側の医療機関の両方を同じコンサルタントが担当することで、医療機関に『この先生なら、こんなこともできますよ』という提案ができますし、条件面なんかの交渉をしやすくなるメリットもありますね。」

柏木「両方を知っているからこそ、できることですね。」

平野「ええ。あと、実際に医療機関に足を運ぶことで、その医療機関がどのような雰囲気の職場なのか、ということが把握できますし、実際に感じた印象を、先生に自分の言葉で話すことができます。その点からも、一人のコンサルタントが、転職希望者と医療機関の両方を担当した方が良いと思うんです。希望条件だけでなく、その職場の雰囲気と先生の人柄とが合っているかチェックできますしね。」

柏木「そういうところも見ているわけですね!色々とお話を伺って、ミスマッチがないよう、御社ならではの工夫をしていることが分かりました。手間はかかるかもしれませんが、それができるのが、他社にはない強みですね。」

 

最大の特長は、「転職させることを仕事にしていない」こと

柏木「他にも、他社にはない、御社独自の部分って何かありますか?」

渡部「私たちは、転職させることを仕事にはしていない、ということですかね。」

柏木「ええっ!?紹介会社は転職させることが仕事だと思っていたんですが。」

渡部「確かに、多くの転職者を転職させれば、その分、会社が得られる利益は大きくなりますよね。でも、私たちは、転職を希望する先生に会ってお話を伺ったうえで、現在の職場に残ることを提案する場合もあるんです。数としてはそこまで多くありませんけど。」

柏木「そうなんですか!例えば、どんな時にそんな提案を?」

渡部「会って色々とお話を伺い、その先生の現在の状況を考えて、今の職場に敢えて残り、もう少し資格を取ってから転職した方が良いと勧めることもありますね。」

柏木「つまり、色々な状況を踏まえ、今はまだ、転職のタイミングではない、ということをアドバイスするわけですね。」

渡部「そうです。また、『転職よりも、今は休養を取ることを優先しましょう』とアドバイスすることもあるんですよ。その先生の置かれている状況を考え、様々な角度から検討して、働き方の提案をさせていただいています。その結果、その先生にとって最良だと判断すれば、転職ではない選択肢を提案することもあります。」

柏木「それが本人のため、ということなんでしょうけど…。でも、利益は生まれませんよね。」

小嶋「そうですね。でも、転職を希望する先生を、転職先の医療機関に無理やりねじこんだところで、結局ミスマッチが発生する可能性が高いですから。そうなると、転職希望者と医療機関の双方が嫌な思いをします。後々トラブルとなる可能性を排除する意味でも、私達は転職させることを必ずしも優先させないんです。」

柏木「確かに、無理に転職させても、その医師のためにも、医療機関のためにもなりませんよね。転職させることがベストじゃないこともあるんですね。だからこそ、利益にならないことも御社は厭わない、と。」

小嶋「そうです。そういう意味では、弊社のコンサルタントは、業界的には“草食系”かもしれませんね(笑)」。
平野「確かに草食系かも(笑)。転職を希望する先生の今後を考えて、私たちコンサルタントは、できる限り本音を伝えるようにしています。『この医療機関は、先生の性格には合わないと思います』とか、『この医療機関は、結構ピリピリした雰囲気ですよ』とか、転職までの期間が延びてしまいそうな内容であっても、できるだけ伝えていますね。」

柏木「なるほど。もちろん、会社である以上、利益は大切なんでしょうけど。それよりも、転職する先生の今後の方を重視している、ということですね。そういう考えのもと、転職のサポートをする中で、『この仕事をしていて良かった!』と思うことがあれば教えて下さい。」

渡部「転職を希望する先生にお会いしてお話を伺ったうえで、どんな医療機関が向いているかを考えるんですが、転職先候補となる医療機関に先生を実際にお連れした際に、好感触だった時は嬉しいですね。自分の見立てが間違いじゃなかったと判って、やりがいを感じます。まあ、自己満足かもしれませんけど(笑)。あ!でも、やっぱり一番嬉しいのは、採用が決まった時ですね。採用が決まり、先生と医療機関の双方から感謝された時には、良いマッチングができて良かったと心から思います。」

柏木「確かに、お互いにとって良いマッチングになったら、嬉しいですよね。それができるのも、御社が転職させることを仕事にしていないからなんですね。無理な転職は勧めず、医師の将来をきちんと考えたうえで転職のサポートをしてくれる会社って、他にはないんじゃないかなと思いました!」

 

今後の目標

柏木「最後に皆さんの今後の目標を聞かせて下さい。では、平野さんからお願いします!」

平野「ええ!私が最初ですか(笑)。そんなに大きな目標はなくて、目の前のことをこなすので精いっぱいではあるんですが…。でも、私も徐々に“先輩”に当たる立場になり、今後、どのように若手を育てるか、ということを考えるようになっています。これまでこの仕事をした中で得た経験や知識を、後輩たちの血となり肉となるよう伝えていきたいです。」

柏木「ありがとうございます!優秀なコンサルタントを今後も育てていかなければなりませんよね。御社の“イズム”を継承するような、ね。渡部さんはいかがですか?」

渡部「そうですね…。僕の場合、担当するからには、最後まで責任を持って取り組んで、宙ぶらりん状態にならないよう心がけています。どんな結論であれ、必ず、何かしらの答えを出して着地させるようにしてあげたいですね。その結論は、必ずしも転職先を決めることではないと思っています。」

柏木「なるほど。さっきのお話にもありましたが、場合によっては、転職しない選択肢も提案するということですよね。」

渡部「そうですね。状況によっては、現在の職場に残る選択も有りだと思います。それと、弊社以外の紹介会社も同時に利用して転職を進める先生が多いので、時には、他社経由で転職が決まってしまうこともあるでしょう。それでも、転職するのかしないのか決まらなかったり、あるいは、転職先がなかなか決まらなかったり…という状態が続いて、先生が不安な毎日を過ごすよりは良いと思うんです。」

柏木「確かにそうですよね。ところで、先ほど、“宙ぶらりん状態”とおっしゃっていましたが、そういうことってあるんですか?」

渡部「ありますね。高すぎる希望条件を絶対に曲げない場合なんかは、そうなりやすいと思います。実際、他社の中には、なかなか転職先が決まらない転職希望者に対して、連絡や紹介を途中でやめてしまうケースもあるんですよ。希望に合った職場が紹介会社の方でなかなか見つけられず、連絡が途絶えがちになって、最悪の場合、そのままフェードアウトすることもあるんですよね。」

柏木「そうなんですか!まあ、条件が高い分、決まりづらくなるというのは分かります。そういう意味では、宙ぶらりんになってしまうのも、仕方のないことなんでしょうか?」

渡部「いえ。決まりにくいのは確かなんですが、妥協案を模索し、場合によっては転職自体を考え直すなどの選択肢を提案することもできるはずです。ですので、希望に沿えるのか、希望する先を見つけられそうか、といった結論をできるだけ早く出して、転職希望者に伝えることを僕は心がけています。そのうえで、転職希望者にきちんと結論を出してもらえるようにしたいと思っているんです。」

柏木「結論が出ないのは、転職しようとしている医師の方にとって不安ですもんね。そういう不安をできるだけ取り除こうとする渡部さんのようなコンサルタントがいると、医師の方も安心して転職できそうですね!それでは、最後に、小嶋さんの目標を教えて下さい。」

小嶋「私の目標は、転職を希望する先生と、転職先の医療機関側とのマッチングを、今後も大切にすることですね。利益だけを重視するなら、マッチングは簡単なものでも構わないでしょうし、業界的に見て“大手”と呼ばれるような会社に、弊社もすぐになれるかもしれないんですが…。でも、先生の将来のキャリアをきちんと考えたうえで、転職先を決めることが一番大切ですから。」

柏木「そうですよね。転職は医師の将来に関わることですもんね。」

小嶋「まさにそうです。例えば、転職にあたり、年収2,000万円を希望する20代の先生がいたとします。探してみたら、確かにその希望条件を叶えられる職場はある。でも、そのような職場は往々にして、人手不足で激務過ぎたり、知識や経験が身に着くような環境ではなかったりするんですよね。給料面での希望は叶えられるかもしれないですが、先生の今後のキャリアを考えた時に、その転職先を勧めるのは、果たして良いことなのかなって、疑問に思うんです。ですので、私たちは、足元1年程度のスパンではなく、5年後、10年後といった長期的なスパンで先生のキャリアを考えるようにしています。先ほどの例で言えば、一時的な年収ではなく、生涯年収を考えるようアドバイスしますね。」

柏木「一時的な希望ではなく、その医師の今後のキャリア設計を一緒に考えたうえで、転職を進めていく、ということですね。」

小嶋「そうです。そのためにも、先生とよく話し合い、希望に合った転職先を一緒に決めていくスタイルを、今後も大切にしたいと思っています。『無理な転職は勧めない』など医師の転職に対する私たちの考え方、医師の紹介の仕方などが、今後、もっと広がっていって欲しいと思うんです。『紹介会社本位ではない転職』が私たちのポリシーですが、これを業界のスタンダードにしていけたら、と思っています。」

柏木「素晴らしいですね!今回皆さんのお話を伺って、メディウェルさんの転職に対する考え方に心を動かされましたし、『この会社でなら、安心して転職できる』と思いました。小嶋さんの言う、『紹介会社本位ではない転職』が業界のスタンダードになれば、きっと日本の転職市場は変わると思いますし、より素晴らしいキャリア設計ができる医師の方も増えるんじゃないでしょうか。メディウェルさんのようなポリシーを持った会社が、この先もっと増えればいいなと思います。皆さんにはさらなる活躍を期待しています!ありがとうございました。」

 

メディウェルが運営するサイトについて

続いてお話を伺ったのは、メディウェルが提供する、同社の転職サイト「医師転職ドットコム」をはじめとした同社のサイトを運営するマーケティングシステム本部の3名の皆さん。

 

マーケティング課課長の安藤さん、主任の勝間田さん、WEBマーケティングチームの石井さんから、同社のサイトを通じて見えてくる医師の転職の現状など、コンサルタントの皆さんとはまた違った切り口から、医師の転職についてお話を伺いたいと思います!

「医師転職ドットコム」運営から見えてくる医師の転職事情

柏木「こんにちは!御社が運営している転職サイトの『医師転職ドットコム』についてお話を聞かせて下さい。先ほどコンサルタントの方から、30代から40代の医師の転職が多いというお話を伺ったんですが、『医師転職ドットコム』のメインターゲットも、この年齢層になるんでしょうか?」

安藤「はい。やはり30代から40代の医師がメインターゲットになります。」

柏木「やはりそうなんですね。ちなみに、メインターゲットとなるこの世代の医師の男女比はどれくらいになりますか?」

安藤「そうですね。男女比は大体6対4といったところでしょうか。ただ、アルバイトなども含めると、20代後半の層も入ってくるので比率が変わります。その場合、男性と女性の比率は半々くらいですね。男女間で、利用者数の差はそれほどありません。」

柏木「そうなんですか。実際、新規会員は増えているんですか?」

安藤「増えていますね。」

柏木「つまり、それに伴い、医師の転職のニーズも増えている、ということでしょうか?」
安藤「ニーズが増えているか、というところまでは検証していないので、お答えするのが難しいところですね(笑)。ただ、確実に言えるのは、『医師転職ドットコム』をはじめとした、弊社が運営するサイトの利用者数は増えている、ということですね。」

柏木「大体、どれくらい増えたんですか?」

安藤「7年前に比べ、利用者数は4倍〜5倍に増えています。月間の新規会員登録者数も、それに比例して増えていますね。」

柏木「4倍〜5倍ですか!凄いですね!」

安藤「ありがとうございます(笑)。なので、医師の転職のニーズそのものは、減ってはいないのではないかと考えています。」

柏木「なるほど。利用者数が増えたのは、『医師転職ドットコム』の認知度が高まったこともあるんでしょうけれど、他にも何か理由はあるんでしょうか?」

勝間田「医師を取り巻く環境が変わってきたことが大きいでしょうね。例えば、5年くらい前は、医師が医局から抜けて転職するなんて、なかなかできなかったんですよ。」

柏木「そうなんですか!」

勝間田「ええ。ハードルが高かったんです。なので、大学病院を辞めて他の医療機関に転職しようという先生は、それほど多くありませんでした。ですが、今は、医局から抜ける先生や、医局に入っていない先生が増えてきています。医師の転職そのものが、ここ数年でだいぶメジャーなものになってきたんじゃないかと思いますね。」

柏木「なるほど。医師の転職は珍しいものじゃなくなってきたんですね。」

勝間田「ええ。それと、紹介会社を利用して転職することに、以前は不安を感じる先生も多かったんですよ。」

柏木「そうなんですか?意外ですね。」

勝間田「中には、『紹介会社を利用するなんて、ワケありの医者なんじゃないか』なんていうイメージをお持ちになる先生もいらっしゃったりして…。」

柏木「ええ!?実際は全然違うのに、そんなイメージを持たれていたんですね。」

勝間田「ええ。でも、今では医師の転職はメジャーなものになってきています。転職の際、複数の紹介会社に登録して転職を進める医師が増えているのも、紹介会社を利用した医師の転職が、以前に比べて浸透してきたからじゃないかと思いますね。」

安藤「勝間田の言うとおり、紹介会社を利用した医師の転職は、昔に比べて一般的になっています。特に首都圏や、大阪・京都・兵庫の二府一県では、一般的な医師の転職方法として認知されていると思いますね。その流れが、今は地方にも広がりつつあるんです。紹介会社を利用した転職が、今後は地方の医師にも浸透し、医師の転職市場は拡大するのではないかと考えています。」

柏木「なるほど。まさにこれから、といったところですね。」

 

オウンドメディア「EPILOGI(エピロギ)」へのこだわり

柏木「御社では『医師転職ドットコム』の他にもサイトを運営しているようですが、他社のサイトと比較して、『ここは負けないぞ!』というものがあれば、教えて下さい。」

安藤「実は、一つこだわりを持っているサイトがあります。EPILOGI(エピロギ)(https://epilogi.dr-10.com/)というオウンドメディアなんですが、これに今、力を入れているんですよ。」

柏木「そうなんですか。EPILOGI(エピロギ)はどのようなオウンドメディアなんでしょうか?」

安藤「弊社が運営する、医師のキャリアに関するコンテンツサイトで、著名な医師へのインタビューをはじめ、転職ノウハウや法律に関する話題などを掲載しています。(EPILOGI(エピロギ)のサイトを見せながら)こんな感じのサイトですね…。『子供を医学部に入れるために、どれくらいの金額がかかるか』といった記事も掲載しているんですよ。」

柏木「本当だ!色々な情報が載っていますね。」

安藤「EPILOGI(エピロギ)は、医師の転職だけじゃなく、医師としてキャリアを積む上で必要な情報を掲載しています。普段使いできる情報提供を目指したオウンドメディアなんです。」

柏木「確かに。内容もかなり豊富ですね!EPILOGI(エピロギ)を始めたきっかけは何だったんですか?」

安藤「実は、医師の転職に関する情報量が少ないことが、以前から気になっていたんです。」

柏木「確かに、医師の転職って、外部になかなか情報が出てこないイメージがあります。」

安藤「そうなんですよ。外に情報が出ない分、実態が見えにくいことが問題だと感じていました。そこで、EPILOGI(エピロギ)による情報発信を始めたんです。弊社では、EPILOGI(エピロギ)で情報発信をしながら、会員向けの大規模なアンケート調査も定期的に行っているんですよ。例えば、『転職してみて、良かったですか?』とか、『専門医の資格を取って、実際に役に立ちましたか?』といったアンケートですね。その結果をEPILOGI(エピロギ)に掲載して情報を共有する、ということをしています。」

柏木「へえ!大がかりなことをされているんですね!」

安藤「実は、ここまで大規模な調査をして、オウンドメディアでその情報を発信しているのは、弊社が国内初なんです。」

柏木「業界に先駆けて行ったわけですね。このような大規模なアンケート調査を行っているのも、やはり、外部に情報が出にくいから、ということですよね。」

安藤「そうです。それと、医師は自分の業界全体のことを知らない、ということもありますね。自分が住む都道府県の医師や病院の状況についてはある程度知っていても、他の都道府県の医師や病院ではどうなのか、ということになると、よく知らないんですよ。」

柏木「どうしてでしょうね。忙しすぎる職場環境だからですかね?」

安藤「それもあるでしょうね。それと、知るすべがない、というのもあります。そこを何とかしなければならない、と思いまして。」

柏木「自分の業界のことを、医師本人が知らないわけですね。それで、EPILOGI(エピロギ)を始めた、と。面白いですね!」

安藤「ですので、EPILOGI(エピロギ)は、そのような環境にいる多くの医師に対し、医師を取り巻く環境や、医療に関する情報などをお届けすることに力を入れています。弊社は人材紹介会社ですので、このような情報を発信したからといって、直接的な利益が生まれるわけではありません。ですが、一人でも多くの医師に、より良いキャリアを歩んでいただくためにも、客観的かつ有意義な情報を提供していくことが、我々の社会的使命の一つであると考えているんです。」

柏木「そんな思いのもと、このオウンドメディアを作られたんですね。色々考えさせられます。医師の今後のキャリアのことを考えた時に、転職がベストな選択ではない場合、それが御社にとって直接的な利益にならないことだとしても提案する、というお話を、先ほどコンサルタントの方から伺ったんですが…。今の安藤さんのお話からも、そういう姿勢や考え方が伺えますね。」

安藤「EPILOGI(エピロギ)には、キャッチコピーがあるんです。『きっと、もっと、医師の働き方は選べる』というものなんですけど。様々な情報に触れることで、一人でも多くの医師が、客観的な視点からより良いキャリアを選択できるようになって欲しい、という願いが、この言葉には込められているんです。」

柏木「いいキャッチコピーですね。」

安藤「ありがとうございます。弊社が大手ではないからこそ、EPILOGI(エピロギ)を通じてできることもあるんですよ。例えば、大学の医学部や大学病院で何か問題が起きた時に、『それに対して先生はどう思いますか?』といったアンケート調査を行うことができます。大学病院とのしがらみが少ない分、こういう医師の本音に迫るアンケートができるのも、弊社のサイトが持つ独自の部分ではないかと思いますね。」

柏木「なるほど。より、医師の本音や業界の実態に迫ることができるわけですね。」

安藤「そうなんです。EPILOGI(エピロギ)は転職に直結するサイトではないかもしれません。ですが、多くの医師により良いキャリアを歩んで欲しいという私たちの願いや理念が伝わることを信じて、日々運営しています。僕自身、元はコンサルタントで現場の人間だったということもあって、何かワンエッセンスでも良いので、弊社の心意気のようなものが伝わるマーケティングができたらいいな、と思っているんです。」

柏木「EPILOGI(エピロギ)には、そんな熱い思いが込められていたんですね!今のお話を伺って、御社は医師の転職を最終目標にはしていないのだなと改めて感じました。もっと広い視点から、業界全体のことを考えているんですね。」

 

今後の目標

柏木「では、最後に、皆さんの今後の目標を聞かせて下さい!石川さんからお願いします!」

石川「はい! (笑)。私は、弊社の強みをもっと伝えていきたいと思っています。もちろん、自社サイトでも弊社の強みは伝えていきたいと思っていますが、今回のような取材のご依頼があった場合も、どんどん強みを発信したいですね。なので、今回、このように取材していただいて、『嬉しいな』と思っていて。」

柏木「ありがとうございます!そう言っていただけると、こちらも嬉しいです(笑)」

石川「いえいえ…(笑)。そうすることで、弊社の持つ強みに魅力を感じて頂けたら嬉しいですね。その結果、弊社に登録してくれる人が増え、その人たちとWin-Winの関係を築けるようになれればいいなと思います。」

柏木「ありがとうございます。いいですね。お手本となる目標ですね!今後もどんどん情報発信していただきたいです。では、勝間田さんの目標を教えて下さい。」

勝間田「プレッシャーですね。しっかりした目標を言わなくちゃいけませんね(笑)。私は入社して5年になりますが、最初は、医師が過酷な環境で働いていることに、只々衝撃を受けました。医療のため、患者さんのため、過酷な環境の中で頑張っていらっしゃる医師の多さにびっくりしたんです。」

柏木「僕も今回お話を伺ってびっくりしました。医師は、大変な環境の中で働いていらっしゃいますもんね。」

勝間田「そうなんですよ。大変な環境であっても、自分を顧みずに働く医師の方たちが、プライベートと仕事を両立できる…そんな充実した職場環境というのが、もっとメジャーになれば良いなと思っています。」

柏木「本当にそうですね。」

勝間田「弊社の強みはコンサルタントだと思うんです。弊社のコンサルタントは皆、人柄の良い人ばかりで、損得よりも、相手のことを第一に考えます。転職を希望する医師から連絡を受けて、親身になって相談に乗る姿を見るたびに、『弊社のコンサルタントの魅力や強みをもっと伝えていけたらな』と思うんですよね。そのうえで、転職に悩んでいる人が、『この会社になら相談したい』と思ってもらえるようなサイトにしていきたいですね。」

柏木「ありがとうございます。きっとできますよ!もしも僕がお医者さんだったら、きっと御社に転職の相談をすると思います。今回取材して、そう思いました。コンサルタントの方もそうでしたが、今こちらにいらっしゃる皆さんも、人柄がいいですもん。」

勝間田「ありがとうございます(笑)」

柏木「では、最後に。安藤さん、お願いします。」

安藤「医師は、患者さんに対しても、医師という仕事に対しても、大きな責任を負っています。自分のことは二の次三の次にしてでも、課せられた使命を全うするために、日々全力で仕事をされている人ばかりです。」

柏木「そうですよね。人の命を預かる、責任重大な仕事をしていますもんね。」

安藤「ええ。でも、ご自身の人生に対する責任も大切だと思うんです。だからこそ、『自分のキャリアは自分で選べる』ということに気付いていただけるような情報発信を今後もしていきたいです。また、弊社のコンサルタントは『実際に足を運んで、転職希望者に会う』ことに力を入れています。そういう意味では、他社に比べて泥臭い部分を持つ会社であると思いますが、その“泥臭さ”が持つ魅力もあるんですよね。その魅力が伝わるようなサイトにしていきたいですし、そのためにはどうすれば良いか日々試行錯誤しています。このことが、今後の課題だと思っています。」

柏木「ありがとうございます!今回、皆さんのお話を伺って、メディウェルさんが医師の将来を真剣に考える会社だということが分かりました。とにかく転職させればよい、というスタンスの会社が多い中、御社はむしろ、利益を度外視してでも、医師の将来の方を重視しますもんね。本当に相手の立場に立って、転職した後のキャリア設計も一緒になって真剣に考えてくれる、御社のような会社は業界では珍しいのかもしれません。でも、そういう会社が今後もっと増えて、業界のスタンダードになれば良いなと思います。」

 

インタビューを終えて

今回、医師の転職の現場の話をコンサルタントの皆さんから、そして、「医師転職ドットコム」「EPILOGI(エピロギ)」など同社のサイト通じた業界全体の話をマーケティングシステム本部の皆さんから伺うことができました。

 

医師の転職のリアルな話をなかなか聞く機会がないので、初めて聞く内容がとても新鮮でしたし、「そうなんだ!」と驚かされる内容もあって、楽しいながらも勉強になるインタビューになりました。何よりメディウェルさんが、転職を希望する医師の方、一人一人の将来設計を真剣に考えて転職のお手伝いをしていることに、感動しました!

 

今のところメディウェルさんのような会社は業界的に見て少数派のようですが、社員の方の「医師の転職」にかける信念の強さは、どこにも負けないのではないかと思います。コンサルタントの小嶋さんがおっしゃっていた「紹介会社本位ではない転職」が、いずれ業界の主流になる日も遠くない…そう感じたインタビューでした。

 

医師転職ドットコムのメディウェル様インタビュー 概要

終身雇用制が一般的だった一昔前に比べ、今では転職は一般的なものとなり、新卒で入社してから定年退職するまで、一社でしか働いたことがない、という人は減少しつつある。一つの会社で定年まで勤めあげるために就職するのではなく、転職を前提とした就職へと転職者の意識も変化しつつある昨今の流れを見ると、隔世の感を禁じ得ない、という人もいるのではないだろうか。

 

転職を取り巻く環境はだいぶ変わりつつあるが、実は、医師の世界でも転職がメジャーになりつつあることをご存知だろうか?

 

2004年に新臨床研修制度がスタートして以降、大学の医局を離れて他の病院に転職する医師は増加している。昨年3月に厚生労働省が発表した「平成28年度職業紹介事業報告書」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200901.html)によれば、紹介会社を通じて就職した件数である「常用就職件数(有料)」は、22,428件(対前年度比11.3%増)となるなど、紹介会社を通じた医師の転職は概ね増加傾向にある。

 

医師不足の深刻化がニュース等で取り上げられる昨今、医師の転職はどのような状況にあるのだろうか?

 

今回は、医師を始めとした医療従事者向け紹介を行っている、株式会社メディウェル(以下、メディウェル)様に伺い、現場で働く3名のコンサルタントの方と、同社の転職サービス等のサイト運営を手掛ける3名のスタッフの方にお話を伺った。

コンサルタントに訊く医師の転職事情

医師になるにはどうしたら良いかご存知だろうか?恐らく、「医学部に進学する」「医師免許が必要」ということ以外はよく知らない、という人が大多数だろう。ましてや、医師の転職ともなれば、その業界にいる人以外、実態を把握していないことも多い。

 

そこで、医師の転職事情をお伝えする前に、まずは医学部入学から医師免許取得までの流れを簡単に説明したいと思う。

 

医学部は、法学部や理工学部等、一般的な4年制学部と異なり、6年制だ。大学入学後、医学部では1年生から4年生まで教養科目に加え、基礎医学や臨床医学を学び、5年生から6年生で臨床実習を行う。

 

ただ、それで医師国家試験が受けられるわけではなく、その前に卒業試験がある。この卒業試験に合格しなければ、そもそも医師国家試験は受験できない。卒業試験をクリアした後、6年生の2月に行われる医師国家試験に合格することで、晴れて医師免許を取得することができるのだ。

 

医師免許取得までの大体の流れは上述のとおりである。ただ、医師免許を取ったからといって、すぐに診療行為が行えるわけではない。まずは、研修医として2年間、法律で定められている初期臨床研修を受けなければならないのだ。さらに、その後、3、4年の後期臨床研修を受けるのが一般的である。このことを勘案すると、19歳で医学部に入学した場合、一人前の医師としてスタートできる年齢は、最低でも30歳前後からということになる。

 

このような事情から、メディウェルに転職の相談をする医師の年齢層は、30代前半から40代前半が最も多いと、同社の3名のコンサルタントは話す。研修医を終え、初期臨床研修と後期臨床研修を行った上で転職をする人はもちろん、初期と後期の研修を行った後、大学病院や民間病院で勤務してから転職する人など様々だ。

 

「やはり、働き盛りのこの年代の転職が一番多いですね。これは、医師に限らず、転職市場全体でもそうではないでしょうか。」と話すのは、これまで、多くの医師の転職希望者を転職先へと送り出してきたという、経験豊富なコンサルタントの小嶋さん。「この年代が欲しいという医療機関が多いのも、理由の一つです。また、転職者である医師サイドも、医師としての経験を積み、今後のキャリアや自分のライフスタイルを考えるタイミングになるのが、この年代なのではないかと思います。そういう意味では、一般企業にお勤めの方の転職とあまり変わらないかもしれません。この年代は、ある程度キャリアも積んでいますし、ライフスタイルの変化があったりしますから」。

 

転職を考えるきっかけとなる医師のライフスタイルの変化には、どのような事例が多いのだろうか。小嶋さんは、子供の誕生が転職のきっかけになるケースが多いと話す。「大学病院は激務のところが多く、当直が続いてなかなか家に帰れず、家族との時間を過ごせなかったり、自分の時間が取れなかったりするんですよ。結婚して子供が生まれたのに、激務で子供と一緒に過ごす時間がなかなか取れず、転職を考える…というケースがよく見られます」。

 

一方、今後のキャリアを考えて転職する場合、この世代の医師にはどのような事例が多いのだろうか。小嶋さんによれば、「開業を考えているケース」、「専門を極めたいケース」、そして、「今後のキャリアを考える上で、岐路に立ったケース」の3つがよく見られるという。

 

まずは、1つ目の「開業を考えているケース」について。独立して開業するケース、実家の医院を継ぐケースなど、医師の中には開業を考えている人も多い。「このケースに関しては、開業するおおよその年齢を勘案したうえで、転職の時期を考える人が多いですね。その結果、30代前半から40代前半で、いったん大学病院を辞める人が多いようです。辞めた後、まずは開業の候補地にある民間病院で働き、そこで人脈を作ることを考える。将来の開業の下準備をするために、転職するわけです」と小嶋さんは話す。

 

2つ目の「専門を極めたいケース」には、大学病院ならではの事情が関係する。小嶋さんによれば、大学病院には若手が多いことから、専門を極めたいと思っても、思うように経験が積めないことがよくあるのだという。「例えば、内視鏡手術の経験をできるだけ多く積みたいのに、大学病院では手術が取り合いになってしまい、思うように経験が積めない…という場合、人手の足りない地方の病院に転職してキャリアを積む、という選択をすることが多いです。先ほどの例で言えば、内視鏡手術のできる医師が地方の病院では不足しているので、そこに転職し、どんどん手術をして経験を積む、ということですね」。

 

3つ目の「今後のキャリアを考える上で岐路に立ったケース」については、特に40代に多くみられると小嶋さんは言う。「40代の医師は、ある程度の経験を積んでいます。このくらいの年齢になった時に、今後、自分が学んできたものを誰かに教える立場を選ぶのか、あるいは、部長職など、さらに上のポジションを狙うのか…という岐路に立つわけです。どちらを選ぶにせよ、自分が望む方向に合った職場を見つけたいと思い、転職を考えるようです」。

 

このように、30代前半から40代前半に差し掛かった時、多くの医師が自分の今後のライフスタイルやキャリアについて考え始める。ただ、小嶋さんによれば、ライフスタイルと今後のキャリア、どちらか一方の理由で転職を考える医師は少数派で、両方の理由から転職を決める人が多いとのことだ。

 

なお、転職相談が最も多いのは30代から40代だが、中には20代で早々に転職を考える医師や、60代以上になって転職を考える医師もいる。このことについて小嶋さんは、「20代の場合は、より良い条件の職場を求めて転職したいというケースが多いように思います。一方、60代以上の場合は、定年後のセカンドキャリアとして、これまでの経験を活かしたい、というケースが多いですね。医師は自分で引退を決めなければ、何歳になっても続けられる仕事ですから。60代以上の医師の場合、介護施設などで第2の医師人生を送る方もいらっしゃいます」と教えてくれた。

 

他の転職理由には、「医師ならでは」の理由も

ここまで、医師の転職理由として特に多いものを伺ったが、これ以外にも「よくある転職理由」はあるという。例えば、どのようなものがあるのだろうか?

 

「人間関係に悩んで転職を考えるケースです。ただ、この場合も、人間関係だけが理由で転職を決めるケースは少なく、既にお話したような、ライフスタイルの変化や今後のキャリアも考慮した上で、転職を考えることが多いです」と小嶋さん。このあたりは、他の職種の転職理由とさほど変わらないという。

 

また、医師ならではの転職理由もある。「例えば、教授が定年を迎えるタイミングで転職を考えるケースがそうですね」と話すのは、はきはきとした受け答えが印象的なコンサルタントの渡部さん。「特に大学病院で多く見られます。大学病院では、教授は絶対的な存在です。今後の自分のキャリアのことやライフスタイルのことを考えて『転職したい』と思っても、教授がいる間は、なかなか転職まで踏み切れない医師が多いんです。そこで、教授が在籍している間は転職せずに留まり、定年を迎えてから転職活動を始めるわけです」と渡部さんは話す。

 

また、教授が変わるタイミングが転職のきっかけになるケースも多い。特に、新たに就任した教授が、外部から医師を複数人連れてきた場合に、その傾向が見られるという。これまでの職場環境が変わることに不安を感じるのはもちろん、中には、自分のポジションの先行きに暗雲が立ち込めるケースもあることから、「先行きが見通せないよりは」と、転職を決意するのだという。

 

一方、資格取得が転職のきっかけとなるケースも多いという。この場合、大学病院で一通りの資格を取得したタイミングが、転機となるようだ。渡部さんは、「大学病院でおおよその資格を取得して、自分の価値を上げてから他の病院に移る医師が多いですね。30代半ばから40代くらいで、大体の資格を取得してしまう医師が特に多いように感じます。このことも、この世代の転職者が多い理由の一つではないでしょうか」と話す。

 

なお、2018年4月からスタートした新専門医制度が、今後この傾向を後押しする可能性があると、同社では分析している。

 

以前は各学会が専門医の認定を行っていたため、民間病院の医師であっても様々な資格を取ることができた。しかし、そこには問題もあった。学会ごとに定める基準が異なるため、専門医によってスキルに差が出てしまうケースがよく見られたのだ。また、「民間病院でも取れるなら」と、給与面で有利な民間病院に転職する医師も多く、大学病院からの医師流出も問題視されたのである。

 

新専門医制度では、研修基幹病院の要件を満たすのが、大学病院や大病院中心となっている。その影響は医師の転職事情にも及び、「大学病院で専門医としての一通りの資格を取ってから、より好条件な民間病院に移ろう」と考える医師がこの先増えるものと考えられる。そのため、小嶋さんは、「今後、転職市場に出てくる医師は、これまでとは変わってくると見ています」と話す。「大学で専門医の資格を一通り取ってから、転職市場に出てくると考えられるので、若手の転職者の年齢層は、これまで以上に30代半ばから40代前半が中心になると思われます」。

 

診療科による違い

ここまで、転職する医師に多い世代やその理由についてお話を伺ったが、実は、医師の診療科によっても傾向が異なるという。

 

現状、内科医や整形外科医、精神科医が転職するケースが多く、反対に、外科医は少ない傾向にあるという。外科医が少ない理由として、小嶋さんは、外科医はチームで動くことが多く、さらに、教授によって手術の方法が異なるからだと話す。「転職した場合、これまで通りの方法が通用しなくなる可能性があるため、外科医の転職希望者の数は必然的に少なくなります」。

 

転職市場で通用する人・通用しない人

転職市場では、「売り手」になれる人とそうでない人とがいるが、医師の転職においても同様のようだ。医師の転職市場で「売り手」になれる人とそうでない人との違いや、採用に当たり、医療機関はどのような点を見るのか、ということをコンサルタントに伺った。

 

「やはり、人柄ではないでしょうか」と答えるのは渡部さん。「初めてお会いした方に、しっかりと挨拶ができるか、目を見て話ができるか、というところを、医療機関側も最低ラインとしてチェックしています。ここがクリアできていないと、面接で落とされてしまいます。要は、基本的なコミュニケーション能力があるかどうか、ということですね。この部分は、一般企業の採用と変わりません」。

 

また、小嶋さんは、「昔に比べ、患者さんが病院にクレームを入れやすくなっている、という事情もあります」と、採用に当たり、医療機関が人柄を重視するようになった背景を説明する。

 

さらに、一緒に働くスタッフへの態度も、以前に比べて問われるようになっているのだとか。小嶋さんは、「例えば、どんなに患者さんに対する態度が良くても、看護師さんに対する態度が横柄だったりキツかったりすると、それが原因となって看護師さんが辞めてしまうかもしれません。病院側にとって、それは損失ですよね。ですので、人柄を重視する医療機関は多いですね。面接の時にここを疑問視されると、敬遠されてしまいます」と、医師の転職における人柄の重要性を話してくれた。

 

なお、ここ最近、転職希望者の傾向に変化が見られるという。このことについて、渡部さんは、「上司に責められたことで精神的に病んでしまい、転職を考える医師が増えているように感じます」と話す。背景として、パワーハラスメントなどが問題視されている昨今の流れがあるのではないか、と渡部さんは言う。「怒鳴られても厳しく叱責されても当たり前、というこれまでの風潮が、ここ最近は、医師の世界においても変わりつつあるように思いますね」。

 

また、以前は、転職に際し、紹介会社を一社しか使わない医師がよく見られたという。だが、今は複数社利用するのが当たり前になりつつあると、渡部さんは指摘する。「紹介会社を利用して転職する場合、何社か利用する医師が以前に比べてだいぶ増えました。これも、ここ最近の傾向ではないかと思います」とのことだ。

 

大都市圏と地方の転職事情の違い

地方ほど、大都市圏に比べ大学病院の存在感は強い。一方、大都市圏では病院の数が地方より多い分、地方ほど大学病院の存在の大きさを感じないことが多いようだ。そのような状況を考慮した場合、大都市圏と地方とでは、転職事情は異なるのだろうか?

 

「正直、それほど大きな差は感じないですね」と小嶋さん。また、渡部さんも、「地方の場合も、やはり、先ほどお話ししたライフスタイルの変化や、今後のキャリアを理由に転職する人が多いです。ただ、地方では、大学病院に勤務している医師が転職を考えるケースは、大都市圏よりは少ないです」と話す。

 

大学病院に勤務している医師が転職するケースが地方で少ないのは、地方ならではの事情がある。

 

大学病院は、その地方において利便性の高いエリアに位置していることが多い。そして、そのようなエリアにある病院の多くが、大学病院の影響下にあるのだという。そのため、大学病院の影響が少ない病院に転職しようとすると、利便性の高いエリアから離れる必要が出てきてしまうのだ。

 

さらに、利便性に欠けるエリアの病院の場合、設備が充実していないなど、これまでのような環境で働けなくなるケースもあるという。そのため、現在の職場環境や給与水準に不満を抱いていたとしても、自分の生活圏を変えたり、これまでより不便な職場環境を選んだりしてまで転職しようとは思わない医師が多い。

 

このような事情から、地方の医師の方が転職には慎重だ。現在の生活や今後のキャリアのことを考え、教授との関係性を重視する。これまで大学病院で培った教授との関係を、転職後も良好に保てるよう、しっかり準備をしてから転職に臨む医師が多いという。「仮に、教授との関係に悩んで転職するのであれば、県外に出てしまった方が良い、というのも、地方ならではの特徴かもしれませんね。県外へ転職するにあたり、新幹線通勤を選択したり、単身赴任という選択をする先生もいらっしゃいます」と小嶋さんは地方の医師の転職事情を教えてくれた。

 

このように、転職事情は大都市圏と地方とで異なる面もある。各地域のニーズに合わせるため、メディウェルは各都道府県に専門コンサルタントを配置し、その地域の事情をきちんと把握した上で、情報提供できるよう体制を整えている。こうすることで、その地域内での転職を希望する医師に対し、希望に合った転職先を紹介できるのはもちろん、他の地域で活躍していた医師が、「地元に戻りたい」という場合にも、すぐに対応することができるのだ。

 

メディウェルの強み

それでは、メディウェルの強みとは何なのだろうか?この疑問に「転職を希望する先生に必ずお会いすることです」と即座に答えたのは小嶋さんだ。

 

その答えの真意をお伝えする前に、転職者が紹介会社を利用して転職する場合、どのような流れで転職を進めるか、ということを簡単に説明したい。

 

紹介会社を利用して転職する場合、複数の紹介会社に登録して転職を進める人が多い。転職希望者は、各紹介会社が提供する転職情報サイトから、エントリーシート等に情報を登録し、その後は、概ね登録した順に紹介会社へアプローチして転職相談をする。そのため、紹介会社にとって、「いかに早く転職希望者に転職先を紹介し、面接までこぎ着けるか」ということが重要になってくる。

 

先ほど少し触れたが、医師が紹介会社を利用して転職する場合も、他の職種と同様、複数の紹介会社を利用するケースが多い。このような事情から、面接までのスピードを重視する紹介会社は多く、医師の転職市場においてもその傾向は変わらないそうだ。

 

しかし、メディウェルはその点が他社と大きく異なり、面接までのスピードはそれほど重要視していないのだという。なぜなら、転職希望者と転職先とのミスマッチが起こる可能性があるからだ。では、具体的にはどのようなミスマッチが起こり得るのだろうか?

 

「転職を希望する医師に実際にお会いし、希望を伺うのですが、その時にお話しをされた希望と、本当の意味での希望とが異なるケースがあるんです」と話すのは小嶋さんだ。このようなミスマッチは、転職を希望する医師本人が、「転職に際し、本当は何を希望しているのか?何を重んじるのか?」ということを理解していないために起こるのだという。

 

「例えば、『今の職場よりも給料の高いところで働きたい』という理由で転職を希望する先生がいたとします。しかし、よくよく話を聞いてみると、重視しているのは給料ではなく、周囲から必要とされることだったりするんですね。でも、本人はそのことに気付いていない。その場合、給与水準の高い職場と、『先生にぜひ来て欲しい』という職場と、どちらの方が先生は長く楽しく働くことができるのか、ということを私たちは考えます。その結果、『先生にとって本当に大切なことは、必要とされることだ』と判断すれば、後者の方を紹介しますね」。

 

このような「本当の希望」は、エントリーシートや電話によるヒアリングだけでは分からないことが多い。実際にその医師に会い、本人と直接コミュニケーションを図ることで、奥底に隠された「本音」が見えてくるのだと小嶋さんは話す。

 

エントリーシートの内容や電話相談から見えるのは、あくまで表層の部分。だから、この2つに頼ることはしない。転職者の本音を見つけるために足を使い、まずは本人に会うところから始めるのが、メディウェルのコンサルタントなのだ。

 

他社の中には、転職希望者本人に会って直接話を聞くよりも、まずは面接を設定することに力を入れるところもある。中には、本人から詳しい話を聞くより先に、メール等でやり取りし、面接の日程を決めてしまうケースもあるのだとか。

 

渡部さんは、「時間をかけずに転職先を決めるなら、本人に直接会うことなく、メールなどでやり取りしてしまった方がスピードとしては速いです。そういう面で、効率的なやり方であるとは思います。でも、スピードばかり優先すると、最後の最後でなかなか決まらないことがよくあるんですよ。『実際に会って転職希望者本人に話を聞く』というプロセスを省いてしまうと、肝心なところで詰められなくなってしまうんです」と、スピードや効率を重視した場合の問題点を指摘する。

 

また、同社の専門コンサルタントは、転職希望者だけはなく、採用側となる医療機関にも必ず足を運ぶ。それにあたり、転職希望者のコンサルタントと医療機関のコンサルタントは、必ず同じ人物が担当するようにしているのだという。スピードや効率は必ずしも重要視せず、転職希望者と採用側とのミスマッチ防止に力を注ぐ、同社ならではの工夫である。「他社の場合、転職希望者の担当コンサルタントと、採用側となる医療機関の担当コンサルタントとを分けていることがあります。一人のコンサルタントが両方を担当すると、時間も手間もかかってしまいますので、確かにその方が効率は良いでしょう。ただ、その場合、今度はコンサルタント同士の意思疎通がうまくいかず、ミスマッチが起こることが考えられるんです」と小嶋さんは言う。

 

同社のコンサルタントが、転職希望者と採用側の医療機関の両方を一人で担当するのには、他にも理由がある。医療機関に「この先生なら、こんなこともできますよ」という提案や、条件面等の交渉をしやすくなるメリットがあるのだ。

 

「それに、実際に医療機関に足を運ぶことで、その医療機関がどのような雰囲気の職場なのか、ということを、転職を希望する先生に自分の言葉で話すことができるので、その点からも、一人で転職希望者と医療機関の両方を担当した方が良いと思うんです。希望条件だけでなく、その職場の雰囲気とその先生の人柄が合っているかチェックできますしね」と、メリットを挙げるのは、明るい笑顔が印象的な、コンサルタントの平野さんだ。そのためにも、同社のコンサルタントは、転職希望者本人に会い、医療機関に足を運ぶことを重視するのだと話す。双方の話を直接聞き、医療機関の雰囲気や、転職希望者である医師の人柄などを十分把握したうえでのマッチングを大切にしているのだという。

 

「転職させることを仕事にしていない」のが最大の特長

メディウェルについて、「私たちは、転職させることを仕事にはしていません」と話すのは渡部さん。転職希望者を転職先に紹介するのが、紹介会社の仕事だ。多くの転職者を転職させれば、その分、紹介会社が得られる利益は大きくなる。そのため、紹介会社にとって、「いかに多くの転職希望者を転職させるか」ということが大きな目標になるのは自明の理である。

 

しかし、メディウェルはそうではないという。一体どういうことなのだろうか?

 

その疑問に対し、渡部さんは、「数としては多くはないのですが、現在の職場に残ることを提案する場合もあるんです」と答えてくれた。「転職を希望する先生と直接会ってお話を伺い、今の職場に敢えて残り、もう少し資格を取ってから転職した方が良いと勧めることもありますね。また、『転職よりも、今は休養を取ることを優先しましょう』とアドバイスすることもあります。その先生の置かれている状況を考慮し、様々な角度から検討して、働き方の提案をさせていただいています。その結果、その先生にとって最良だと判断すれば、転職ではない選択肢を提案することもあります」。

 

すでに書いたとおり、紹介会社にとっては、転職希望者が採用されることにより利益が生まれるため、より多くの転職者を転職させることが重要になる。だが、同社では、転職がその医師にとって最良の選択とならない場合には、会社にとって利益を生まない「転職しない」提案もためらわない。これは、同社ならではの特長だ。

 

また、小嶋さんは、「転職を希望する先生を、転職先の医療機関に無理やりねじこんだところで、結局ミスマッチが発生する可能性が高く、転職希望者と医療機関の双方が嫌な思いをします。後々トラブルとなる可能性を排除する意味でも、私達は転職させることを必ずしも優先させないんです」と話す。「そういう意味では、弊社のコンサルタントは、業界的には“草食系”かもしれませんね(笑)」と笑顔を浮かべた。

 

転職を希望する医師の今後を考え、同社のコンサルタントは本音をぶつける。そのため、「この医療機関は、先生の性格には合わないと思います」「この医療機関は、結構ピリピリした雰囲気ですよ」など、コンサルタントが感じたことや知っていることを、出来る限り伝えるようにしているのだという。利益は大切だが、転職者の今後も大切。だからこそ、時には利益を生まないことであっても、それを厭わない。それこそが、同社の特長であり、最大の武器なのだ。

 

「転職を希望する先生にお会いしてお話を伺った上で、どんな医療機関が向いているかを考えるんですが、転職先候補となる医療機関に先生を実際にお連れした際に、好感触だった時は嬉しいですね。自分の見立てが間違いではなかったことが判り、やりがいを感じます」と渡部さんは言う。「でも、やっぱり一番嬉しいのは、採用が決まった時ですね。採用が決まり、先生と医療機関の双方から感謝された時には、良いマッチングができて良かったと心から思います」。

 

今後の目標

ここまで、医師の転職市場の最前線で活躍するメディウェルの3名のコンサルタントに、医師の転職の現状や実情、マッチングに際しての同社ならではのこだわりを伺ってきた。

 

競争が激しい転職市場において、スピードと効率、成約件数を重視する紹介会社が一般的な中、それを重視しないメディウェルは、異色とも呼べる存在ではないだろうか。しかし、他社が重要視するポイントに敢えて比重を置かないのには、ここまで書いたとおり、明確な理由がある。

 

他社にはない同社ならではの強みを武器に、これからも活躍するであろう3名のコンサルタントの皆さんに、今後の目標を伺った。

 

「私も徐々に“先輩”に当たる立場になってきています。これまでこの仕事をした中で得た経験や知識を、後輩たちの血となり肉となるよう伝えていきたいです」と目標を話すのは平野さん。「どのように若手を育てるか」ということについて、最近少しずつ考えるようになってきたのだという。

 

次に目標を伺ったのは、渡部さん。渡部さんは、必ず結論を出して着地させることが目標なのだと話す。「担当するからには、最後まで責任を持って取り組んで、宙ぶらりん状態にならないことを心がけています。どんな結論であれ、必ず、何かしらの答えを出して着地させるようにしてあげたいですね」。その結論は、必ずしも転職先を決めることではないという渡部さん。「先ほどお話ししたとおり、現在の職場に残る選択も有りだと思います。また、場合によっては、他社経由で転職を決める先生もいるでしょう。それでも、転職するのかしないのか決まらなかったり、あるいは、転職先がなかなか決まらなかったり…という状態が続いて、先生が不安な毎日を過ごすよりは良いと思うんです」。

 

実際、他社の中には、長期間転職が決まらない転職希望者に対し、連絡や紹介を途中でやめてしまうケースもあるそうだ。「高すぎる希望条件を絶対に曲げないなどの場合、確かに決まりづらくなります。希望に合った職場が紹介会社の方でなかなか見つけられず、連絡が途絶えがちになったり、最悪の場合は、そのままフェードアウトしてしまったりするんですよね」と渡部さんは言う。「ですが、妥協案を模索し、場合によっては転職自体を考え直すなどの選択肢を提案することもできるはず。ですので、希望に沿えるのか、希望する先を見つけられそうか、といった結論をできるだけ早く出して、転職希望者に伝えることを私は心がけています。そのうえで、転職希望者にも、きちんと結論を出してもらえるようにしたいと思っているんです」。

 

最後に今後の目標を伺ったのは小嶋さんだ。小嶋さんの目標は、転職を希望する先生と、転職先の医療機関側とのマッチングを、今後も大切にすること。利益を重視するなら、マッチングは簡単なものでも構わないのかもしれない。マッチングを最低限にとどめ、どんどん転職先を紹介して決めてしまう方が、紹介会社にとっては利益になる。だが、転職希望者にとってはどうだろうか?

 

「例えば、転職にあたり、年収2,000万円を希望する20代の先生がいたとします。探してみたら、確かにその希望条件を叶えられる職場はある。でも、そのような職場は往々にして、人手不足で激務過ぎたり、知識や経験が身に着くような環境ではなかったりするんですよね」と小嶋さんは言う。

 

一時的な希望は叶えられるかもしれない。だが、医師の今後のキャリアを考えた時に、その転職先を勧めるのは、果たして良いことなのだろうか?そして、このような職場に転職することが、この先の医師人生にプラスに働くだろうか?このことを、小嶋さんは常に考えるのだという。

 

「ですので、私たちは、足元1年程度のスパンではなく、5年後、10年後といった長期的なスパンで先生のキャリアを考えるようにしているんです。先ほどの例で言えば、一時的な年収ではなく、生涯年収を考えるようアドバイスします」と小嶋さんは話す。「先生とよく話し合い、一緒に希望に合った転職先を決めていくスタイルを、今後も大切にしたいと思っています。『紹介会社本位ではない転職』が私たちのポリシーですが、これを業界のスタンダードにしていけたら、と思うんです」。

 

メディウェルの転職サイトについて

次に、メディウェルが提供する、同社の転職サイトについてお話を伺った。お話を伺ったのは、サイト運営を担当する、マーケティングシステム本部の安藤さん、勝間田さん、石井さんの3名だ。

 

同社の転職サイトのコアユーザーは、すでに書いたとおり30代から40代であるため、メインターゲットはこの世代になるという。では、男女の比率はどうだろうか?

 

「男性と女性の比率は半々くらいです」と答えてくれたのは勝間田さん。利用者の男女比については、それほど差がないそうだ。また、利用者数に関しては、「実際に求人が増えているかどうかまでは検証していないのですが、弊社のサイトを利用するユーザー数は増えています」とのことである。

 

ちなみに、7年前に比べて利用者数は4倍〜5倍に増えたそうで、月間の新規会員登録数も、それに比例して増えているのだという。安藤さんは、「このことから、転職のニーズそのものは、減ってはいないのではないかと考えています」と言う。

 

また、利用者数増加の背景について、勝間田さんは、医師を取り巻く環境が変わってきたこともあるのではないか、と話す。2004年に新臨床研修医制度が導入された後、2018年からは新専門医制度が導入されるなど、医師を取り巻く環境は昔とは違う。それを踏まえ、勝間田さんは、「以前に比べ、弊社の転職サイトを利用する層が変わってきているのは事実です」と話す。「5年程前は、医局から抜けること自体、今よりハードルが高く、医局から抜けて転職しようという先生はそれほど多くなかったんです。ですが、近年は、医局から抜ける先生や、医局に入っていない先生が増えてきています。このことから、以前に比べ、医師の転職がメジャーなものになってきたのではないかと考えています」。

 

かつては、医師の転職はハードルが高いうえ、紹介会社を利用して転職することに不安を感じる医師が多かったという。中には、「紹介会社を利用するのは、ワケありの医師なんじゃないか?」などと誤解する人もいたそうだ。しかし、近年では、医師の転職自体が珍しいものではなくなり、紹介会社を利用した転職も、以前に比べだいぶ浸透している。

 

安藤さんも、「紹介会社を利用した医師の転職は、昔に比べて一般的になっています」と話す。「特に首都圏や、大阪・京都・兵庫の二府一県では、一般的な医師の転職方法として認知されていると思います。その流れが、今は地方にも広がりつつあるんです。紹介会社を利用した転職が、今後は地方の医師にも浸透し、医師の転職市場は拡大するのではないかと考えています」。

 

メディウェルが運営するオウンドメディアへのこだわり

メディウェルでは、オウンドメディアに力を入れている。EPILOGI(エピロギ)(https://epilogi.dr-10.com/)は、同社が運営するキャリアに関するコンテンツサイトで、著名な医師へのインタビューをはじめ、転職ノウハウや法律に関する話題などを掲載している。EPILOGI(エピロギ)について、安藤さんは「医師の転職のみならず、医師としてキャリアを積む上で必要な情報はもちろん、普段使いできる情報提供を目指しているんです」と話す。

 

同社では、このようなコンテンツサイトを展開しつつ、会員向けの大規模なアンケート調査も行っている。その背景には、医師の転職に関する情報量の少なさがあるという。「医師の転職というのは、外にあまり情報が出てこない分、実態が見えにくいのが問題だと以前から感じていました」と安藤さんは言う。そこで、EPILOGI(エピロギ)で会員向けアンケート調査を実施し、そこで集めた「医師の声」をオウンドメディアに掲載して情報を共有できるようにしているのだという。

 

実は、医師に対し、ここまで大規模な調査を実施し、オウンドメディアで発信しているのは、同社が初めてだそうだ。

 

このような大規模なアンケート調査に同社が力を入れるのには理由がある。医師は、その職場環境から、「他の病院ではどうなのか?」「他の医師はどうなのか?」といった外部の情報を知る機会がどうしても少ない。自分自身が働く業界の情報を知るすべがないケースが多いのである。「そのため、そのような環境にいる多くの医師に対し、医師を取り巻く環境や、医療に関する情報などをお届けすることに力を入れています。弊社は人材紹介会社ですので、このような情報を発信したからといって、直接的な利益が生まれるわけではありません。ですが、一人でも多くの医師に、より良いキャリアを歩んでいただくためにも、客観的かつ有意義な情報を提供していくことが、我々の社会的使命の一つであると考えているんです」と安藤さんはその意義を話す。

 

EPILOGI(エピロギ)のキャッチコピーは「きっと、もっと、医師の働き方は選べる」である。様々な情報を取捨選択し、一人でも多くの医師が、客観的な視点からより良いキャリアを選択できるようになって欲しいという願いが、この言葉には込められているのだ。

 

安藤さんは、「EPILOGI(エピロギ)は転職に直結するサイトではないかもしれません。ですが、多くの医師により良いキャリアを歩んで欲しいという私たちの願いや理念が伝わることを信じて、日々運営しています」と、胸の内に秘めた思いを話してくれた。

 

マーケティングシステム本部は、コンサルタントとは違い、転職希望者に直接関わるわけではない。医師の転職や医療に関する情報などを発信する、いわば裏方とも言える部分を担当している。だが、過酷な職場環境で働く医師に対し、より良い人生の選択をするためのお手伝いがしたい、という思いは、最前線で働くコンサルトと何ら変わらない。EPILOGI(エピロギ)は、そんな彼らの思いが詰まったコンテンツなのである。

 

今後の目標

最後に、転職サイトやオウンドメディアを運営し、情報発信を続ける3名の皆さんに、今後の目標を伺った。

 

自社の強みをもっと伝えていきたいと言うのは石川さん。「当然、自社サイトでも弊社の強みは伝えていきたいと思っていますが、今回のような取材のご依頼があった場合も、どんどん強みを発信したいと思っています。そうすることで、弊社の持つ強みに魅力を感じて頂けようになれば嬉しいですね。その結果、弊社に登録してくれる人が増え、その人たちとWin-Winの関係を築けるようになれればいいなと思います」と目標を話してくれた。

 

次に目標を話してくれたのは勝又さんだ。「入社して5年になりますが、最初は、医師が過酷な環境で働いていることに、只々衝撃を受けました。医療のため、患者さんのため、過酷な環境の中で頑張っていらっしゃる医師の多さにびっくりしたんです。大変な環境であっても、自分を顧みずに働く医師の方たちが、プライベートと仕事を両立できる…そんな充実した職場環境というのが、もっとメジャーになれば良いなと思っています」と勝又さんは言う。「弊社の強みはコンサルタントであると思っています。弊社のコンサルタントは皆、人柄の良い人ばかりで、損得よりも、相手のことを第一に考えるんです。転職を希望する医師から連絡を受けて、親身になって相談に乗る姿を見るたびに、弊社のコンサルタントの魅力や強みをもっと伝えていけたら、と思っています」。そのうえで、転職に悩んでいる人が、「この会社になら相談したい」と思ってもらえるようなサイトにしていきたいと、意気込みを語ってくれた。

 

最後に、安藤さんに目標を伺った。「医師は、患者さんに対しても、医師という仕事に対しても、大きな責任を負っています。自分のことは二の次三の次にしてでも、課せられた使命を全うするために、日々全力で仕事をされている人ばかりです。でも、ご自身の人生に対する責任も大切だと思うんです。だからこそ、『自分のキャリアは自分で選べる』ということに気付いていただけるような情報発信を今後もしていきたいです。また、コンサルタントが話したように、弊社は『実際に足を運ぶこと』に力を入れています。そういう意味では、他社に比べて泥臭い部分を持つ会社であると思うのですが、その“泥臭さ”が持つ魅力もあるんですよね。その魅力が伝わるようなサイトにしていきたいですし、そのためにはどうすれば良いか日々試行錯誤しています。このことが、今後の課題だと思っています」。

 

最後に

「転職希望者に真に寄り添った転職」。今回のインタビューを通じ、真っ先に浮かんだのはこの言葉である。

 

言葉にするのは容易いが、実際に行うとなると話は別だ。転職は慈善事業ではない以上、紹介会社が利益を重視するのは、やむを得ない部分もある。それゆえに、利益重視・効率重視のスタイルで、転職希望者を転職先に送り出す会社も少なくなく、医師の転職市場においてもよくある話であると言える。

 

だが、そんな業界の風潮に対し、メディウェルは真っ向から勝負する。転職希望者に真に寄り添った転職を実現するべく、コンサルタントは足を使って会いに行き、感覚を研ぎ澄ませて転職希望者の話を聴く。そして、その本音を知るために、鼻を利かせる。自分の持つ全てを使い、転職希望者に対峙するのだ。そこには、利益や効率といった考えはなく、「医師がより良いキャリアを実現する」ことがただあるのみだ。

 

そして、同社には、そんなコンサルタントたちと思いを同じくしたスタッフたちがいる。過酷な環境下で働く多くの医師が、今後より良い人生の選択ができるように、との願いを込めて、コンテンツサイトというメディアを通じ、情報発信を日々続けていく。活躍の場は違えど、そこにある思いはコンサルタントと同じだ。

 

「泥臭い」という同社のスタイルは、業界では決してメジャーなものではないかもしれない。だが、転職は人生の一大転機。覚悟を胸に転職に臨む医師がほとんどであろう。そんな医師が転職先を決めるに当たり、必要となるのは、果たして効率やスピードなのだろうか。そんなことを感じたインタビューであった。

 

転職に際し、不安を感じる医師は多かろう。だが、その不安に寄り添う人がいてくれるだけで、ほんの少し心は軽くなる。「転職希望者に真に寄り添った転職」を実現するために、メディウェルが厭わない「泥臭い」スタイルが、今後、業界の本流となることを願ってやまない。そう思ったインタビューであった。

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